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ANAの機上で
2003年5月、重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国で蔓延し、北京留学中だった私は本意ではなかったが、日本へ帰国せざるを得なかった。
その当時、日本への航空チケットは軒並み安売りとなった。お金のあまりなかった私にとっては北京、成田往復チケットと言えば、中国東方航空、イラン航空、パキスタン航空、ノースウェストあたりが相場だったのだが、そのときはANAのチケットがかなり割安で手に入ったのだ。
SARSの影響で中国に居住する日本人の多くが帰国した影響だと思うのだが、機内はかなり空いており、私を含め乗客は10人程度だった。
離陸してからしばらくすると、私の座席の反対側窓辺の席の日本人男性乗客(40代後半くらい)が何やらクレームをつけはじめた。それに対してスチュワーデスは「申し訳ございませんでした」と謝りっぱなしである。
クレームの内容は言葉遣いがどーのこーの、接客の仕方がどーのこーの、とか、いろいろ聞こえてきて本当にうんざりさせられてしまった。そのネチネチ細かいことといったらこの上なく、ほんの暇つぶしのようにスチュワーデスの至らないところを指摘してはくどくど言っていた。(1時間くらいも!)
スチュワーデスへの説教が終わってしばらくして、その乗客の後方から2人の若い男性が歩いてきて談笑しはじめた。その説教男は2人の男性から「●●教授、●●教授」と言われていたので、どこかの大学の教授らしく、2人の若い研究員と共に北京に滞在していたようだ。
「人の人格も尊重できず、ワガママナな子供のような男が教授。。。」(心のつぶやき)
スチュワーデスにいろいろ物言いできて大満足の教授が子供のようで、くどくど文句を言い続ける教授の話を笑顔で聞き続けたスチュワーデス(若い)がこの教授の母親のように見えてしまった。
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